トリプル美術鑑賞~岡本太郎展・プラネタリウム鑑賞編~
2022年09月18日
9月も半ばを過ぎましたが、日中はまだまだ残暑が厳しい><
先日14日に、行きそびれておりました大阪中之島美術館で開催されている『岡本太郎展』&大阪市立美術館で開催されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』、そして大阪市立科学館でプラネタリウム鑑賞のトリプル鑑賞をしてまいりました!
場所の離れた2+1会場を廻ることになるので(と言ってもすべて大阪市内ではありますが・・・)気合を入れて朝一で美術館へ向かいます。
大阪市立美術館→中之島美術館→大阪市立科学館ルートを辿ります。
順番を前後しまして、まずは岡本太郎展から。
今回岡本太郎展が開催されている中之島美術館は今年1月に開館した新しい美術館です。
国立国際美術館が目と鼻の先にあるこの美術館は、外観が黒いキューブの5階建て、周囲の都市風景の中にあって異彩を放っている美術館です。
国立国際美術館は地下にフロアが広がっているのに対して、中之島美術館は上にフロアが伸びていっているのが対照的で面白いですね。
美術館前には在阪芸術家のヤノベケンジ作の《SHIP’S CAT(Muse)》がお出迎え。
しかし見れば見るほど、ウルトラマンセブンみたいな色合いですな。
中に入ると太陽の塔くんがお出迎え
さてそれではいざ展示会場へ!
そうそう、展覧会会場内での撮影(ビデオは不可)はオールOKです!
会場内入口には赤い背景に白い陰影のある大きな黒い太陽が。
岡本太郎のアイデンティティとも言える赤、そして呪術的世界を垣間見れる黒、そしてそれぞれの色を繋ぐ白。
それらの色は岡本太郎の作品群には欠かせない色でもあります。
1929年に18歳でフランス・パリへ渡った太郎は、そこで10年もの間実社会で揉まれ様々な経験を積んでいく。
太郎はパリ滞在時、ピカソに出会い衝撃を受ける。
そして滞在時から帰国してよりピカソを超える事を目標として絵画制作に打ち込んでいきます。
《痛ましき腕》
《露店》
ナチス・ドイツのフランス侵攻を受け帰国した太郎は、帝国陸軍の兵士として中国戦線へ出征させられます。
太平洋戦争終結後、帰国した太郎は停滞する日本美術界に挑戦状とも言える変革的「夜の会」を結成して戦前のフランス滞在時に日本人として前衛芸術運動を体感した稀有な存在として日本でも前衛芸術運動の旗手として身を投じていきます。
その中で太郎は日本で初めて「対極主義」という言葉を残します。
対極主義とは岡本太郎が1947年頃から提唱しはじめたもので、芸術家の基本的な姿勢とは、対立する二つの要素をそのまま共存させることであるとする主張で、たとえば「無機的な要素と有機的な要素、抽象・具象、静・動、反発・吸引、愛憎、美醜、等の対極が調和をとらず、引き裂かれた形で、猛烈な不協和音を発しながら一つの画面に共生する」
岡本太郎が生涯を掛けてテーマとしたものであります。
《燃える人》
《森の掟》
《駄々っ子》
そして太郎が生涯にわたってモチーフにしたもの、それは『顔』です。
顔は宇宙だ。
顔は自であり、他であり、全体なのだ。
そのど真ん中に眼がある。それは宇宙と一体の交流の穴。
世界の美のあらゆる層に、なんとさまざまの顔があり、また眼があるのだろう。
まん丸い眼、とがったの、凹んだ穴ぼこ、あらゆる眼がにらみ、
挑みあい、絶対をたしかめあう。
ひとつの顔の宇宙のなかに、また無限の顔、そして眼玉が光っている。
言いようのない実在感をもって。
(岡本太郎著「宇宙を翔ぶ『眼』」より)
壁一面、め、メ、目、眼・・・
2003年、岡本太郎作の巨大絵画『明日の神話』がメキシコシティ郊外で発見されました。
資材置き場に30年以上も放置されていた絵画群は破損箇所も多く修復に3年を費やされました。
修復後は東京都渋谷区の渋谷マークシティ内の京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅を結ぶ連絡通路に恒久設置されパブリックアートとして親しまれております。
本展ではその原画が公開されております。
原画でもサイズは大きく横10m以上の大作です。
明日の神話は第五福竜丸が被爆した際の水爆の炸裂の瞬間がモチーフとなっており、悲惨な体験を乗り越え、再生する人々のたくましさを描いたとされています。
また本作は太陽の塔と対をなす作品と言われております。
私にはどういったところが対をなしているのかまったく理解の及ばないところではありますが・・・。
岡本太郎と言えば「芸術は爆発だ!」が有名ですよね。
岡本太郎が残した数ある言葉の中でも簡潔にして明快、そして強烈に脳裏に焼き付くその言葉は、岡本太郎という人間そのものを表していると言ってよいのではないかと思えます。
「ぼくが芸術というのは生きることそのものである。
人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、
その生き方こそが芸術なのだということを強調したい。
芸術は爆発だ
これは随分前からの私の信念であり、貫いてきた生き方だ。
全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。
それが爆発だ。
人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。
いのちの本当のあり方だ。」
(岡本太郎著「自分の中に毒を持て」より)
正直これほど人生経験に富んだ方だとは思いませんでした。
変な語録を沢山生んだちょっと変わった、太陽の塔の製作者の芸術家といった印象が大部分でした。
野球ファンにはおなじみの懐かしい球団ロゴ、これも岡本太郎デザインです。
近鉄バファローズのロゴマーク
絵画だけでなく、立体造形物にも自由で独自の世界観を創造していきます。
《赤い手・青い手》
《犬の植木鉢》
《午後の日》
面白いねぇ、実に。
俺の人生は。
だって、道がないんだ。
だから僕は「本職は人間だ」と答えてやるんだ。
(岡本太郎著『強く生きる言葉』)
岡本太郎の絶筆『雷人』1996年(未完)
グッズ売り場は大盛況でした。
中でも『タローマン』グッズがバカ売れのようでした。
自分は図録と岡本太郎立体造形フィギュアセットを購入。
タローマンって?という方は下記をチェック!
なんだこれは!
実は、今回13時から観覧可能なチケットを購入したのですが、展覧会入り口にやたらカメラを持った報道陣?の人たちが居てこの平日になんやろ?と思っていたんですよ。
で、入場時間になったんでチケットを見せて入場したまさに直後「おめでとうございます!」という声と拍手喝采が聞こえてきて何事!?と思って入り口へ引き返すと、なんと岡本太郎展10万人目の来展者が出たということでお祝いのセレモニーが行われていたのでした!
マジか!少し入場が後だったら全国放送されるのが自分だったかもしれん!
と思うと少し惜しいやら、もし自分だったら・・・とも思うと気恥ずかしいやらで、まあ自分じゃなくて良かったのかも?なんて・・・^^;
そして息付く暇もなく大阪市立科学館へ!
16時からのプラネタリウム特別展「宇宙美術館2022」を鑑賞。
もうね、適度な空調に暗く静かな空気、朝早くの移動、そして眠気との戦い・・・45分間で何回意識が飛びかけたか分かりません^^;
でも、プラネタリウムはいいですよ!
オリオン大星雲めっちゃ綺麗!
大画面で目に前に迫ってくるような迫力です!オススメ!
自分はプラネタリウムだけだったのですが、時間があれば他のフロアも是非見たほうがいいと思います。
お子様がおられたら、テンション爆上がりな楽しく学べる科学教材が目白押しです^^
そして来週のフェルメール展へ続く・・・
《タカダ》
先日14日に、行きそびれておりました大阪中之島美術館で開催されている『岡本太郎展』&大阪市立美術館で開催されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』、そして大阪市立科学館でプラネタリウム鑑賞のトリプル鑑賞をしてまいりました!
場所の離れた2+1会場を廻ることになるので(と言ってもすべて大阪市内ではありますが・・・)気合を入れて朝一で美術館へ向かいます。
大阪市立美術館→中之島美術館→大阪市立科学館ルートを辿ります。
順番を前後しまして、まずは岡本太郎展から。
今回岡本太郎展が開催されている中之島美術館は今年1月に開館した新しい美術館です。
国立国際美術館が目と鼻の先にあるこの美術館は、外観が黒いキューブの5階建て、周囲の都市風景の中にあって異彩を放っている美術館です。
国立国際美術館は地下にフロアが広がっているのに対して、中之島美術館は上にフロアが伸びていっているのが対照的で面白いですね。
美術館前には在阪芸術家のヤノベケンジ作の《SHIP’S CAT(Muse)》がお出迎え。
しかし見れば見るほど、ウルトラマンセブンみたいな色合いですな。
中に入ると太陽の塔くんがお出迎え
さてそれではいざ展示会場へ!
そうそう、展覧会会場内での撮影(ビデオは不可)はオールOKです!
会場内入口には赤い背景に白い陰影のある大きな黒い太陽が。
岡本太郎のアイデンティティとも言える赤、そして呪術的世界を垣間見れる黒、そしてそれぞれの色を繋ぐ白。
それらの色は岡本太郎の作品群には欠かせない色でもあります。
1929年に18歳でフランス・パリへ渡った太郎は、そこで10年もの間実社会で揉まれ様々な経験を積んでいく。
太郎はパリ滞在時、ピカソに出会い衝撃を受ける。
そして滞在時から帰国してよりピカソを超える事を目標として絵画制作に打ち込んでいきます。
《痛ましき腕》
《露店》
ナチス・ドイツのフランス侵攻を受け帰国した太郎は、帝国陸軍の兵士として中国戦線へ出征させられます。
太平洋戦争終結後、帰国した太郎は停滞する日本美術界に挑戦状とも言える変革的「夜の会」を結成して戦前のフランス滞在時に日本人として前衛芸術運動を体感した稀有な存在として日本でも前衛芸術運動の旗手として身を投じていきます。
その中で太郎は日本で初めて「対極主義」という言葉を残します。
対極主義とは岡本太郎が1947年頃から提唱しはじめたもので、芸術家の基本的な姿勢とは、対立する二つの要素をそのまま共存させることであるとする主張で、たとえば「無機的な要素と有機的な要素、抽象・具象、静・動、反発・吸引、愛憎、美醜、等の対極が調和をとらず、引き裂かれた形で、猛烈な不協和音を発しながら一つの画面に共生する」
岡本太郎が生涯を掛けてテーマとしたものであります。
《燃える人》
《森の掟》
《駄々っ子》
そして太郎が生涯にわたってモチーフにしたもの、それは『顔』です。
顔は宇宙だ。
顔は自であり、他であり、全体なのだ。
そのど真ん中に眼がある。それは宇宙と一体の交流の穴。
世界の美のあらゆる層に、なんとさまざまの顔があり、また眼があるのだろう。
まん丸い眼、とがったの、凹んだ穴ぼこ、あらゆる眼がにらみ、
挑みあい、絶対をたしかめあう。
ひとつの顔の宇宙のなかに、また無限の顔、そして眼玉が光っている。
言いようのない実在感をもって。
(岡本太郎著「宇宙を翔ぶ『眼』」より)
壁一面、め、メ、目、眼・・・
2003年、岡本太郎作の巨大絵画『明日の神話』がメキシコシティ郊外で発見されました。
資材置き場に30年以上も放置されていた絵画群は破損箇所も多く修復に3年を費やされました。
修復後は東京都渋谷区の渋谷マークシティ内の京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅を結ぶ連絡通路に恒久設置されパブリックアートとして親しまれております。
本展ではその原画が公開されております。
原画でもサイズは大きく横10m以上の大作です。
明日の神話は第五福竜丸が被爆した際の水爆の炸裂の瞬間がモチーフとなっており、悲惨な体験を乗り越え、再生する人々のたくましさを描いたとされています。
また本作は太陽の塔と対をなす作品と言われております。
私にはどういったところが対をなしているのかまったく理解の及ばないところではありますが・・・。
岡本太郎と言えば「芸術は爆発だ!」が有名ですよね。
岡本太郎が残した数ある言葉の中でも簡潔にして明快、そして強烈に脳裏に焼き付くその言葉は、岡本太郎という人間そのものを表していると言ってよいのではないかと思えます。
「ぼくが芸術というのは生きることそのものである。
人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、
その生き方こそが芸術なのだということを強調したい。
芸術は爆発だ
これは随分前からの私の信念であり、貫いてきた生き方だ。
全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。
それが爆発だ。
人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。
いのちの本当のあり方だ。」
(岡本太郎著「自分の中に毒を持て」より)
正直これほど人生経験に富んだ方だとは思いませんでした。
変な語録を沢山生んだちょっと変わった、太陽の塔の製作者の芸術家といった印象が大部分でした。
野球ファンにはおなじみの懐かしい球団ロゴ、これも岡本太郎デザインです。
近鉄バファローズのロゴマーク
絵画だけでなく、立体造形物にも自由で独自の世界観を創造していきます。
《赤い手・青い手》
《犬の植木鉢》
《午後の日》
面白いねぇ、実に。
俺の人生は。
だって、道がないんだ。
だから僕は「本職は人間だ」と答えてやるんだ。
(岡本太郎著『強く生きる言葉』)
岡本太郎の絶筆『雷人』1996年(未完)
グッズ売り場は大盛況でした。
中でも『タローマン』グッズがバカ売れのようでした。
自分は図録と岡本太郎立体造形フィギュアセットを購入。
タローマンって?という方は下記をチェック!
なんだこれは!
実は、今回13時から観覧可能なチケットを購入したのですが、展覧会入り口にやたらカメラを持った報道陣?の人たちが居てこの平日になんやろ?と思っていたんですよ。
で、入場時間になったんでチケットを見せて入場したまさに直後「おめでとうございます!」という声と拍手喝采が聞こえてきて何事!?と思って入り口へ引き返すと、なんと岡本太郎展10万人目の来展者が出たということでお祝いのセレモニーが行われていたのでした!
マジか!少し入場が後だったら全国放送されるのが自分だったかもしれん!
と思うと少し惜しいやら、もし自分だったら・・・とも思うと気恥ずかしいやらで、まあ自分じゃなくて良かったのかも?なんて・・・^^;
そして息付く暇もなく大阪市立科学館へ!
16時からのプラネタリウム特別展「宇宙美術館2022」を鑑賞。
もうね、適度な空調に暗く静かな空気、朝早くの移動、そして眠気との戦い・・・45分間で何回意識が飛びかけたか分かりません^^;
でも、プラネタリウムはいいですよ!
オリオン大星雲めっちゃ綺麗!
大画面で目に前に迫ってくるような迫力です!オススメ!
自分はプラネタリウムだけだったのですが、時間があれば他のフロアも是非見たほうがいいと思います。
お子様がおられたら、テンション爆上がりな楽しく学べる科学教材が目白押しです^^
そして来週のフェルメール展へ続く・・・
《タカダ》
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