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一時名流

2022年03月13日

南千里店

A級昇格の切符は果たして誰が手にするのか───

B級1組の順位戦最終局が3月9日に行われました。
B級1組は成績上位2名がA級に昇級できますが、昔から「B1は鬼の住処」と呼ばれてきました。
B級1組総勢13名。毎年A級から降級してきた猛者2名にB1から上がってくるA級を狙う有望株3名全員強者であり、B1に留まることを許された8名も、A級への門番と謳われる鬼才の集まりでここを抜けてA級に辿り着くことが非常に厳しいことから「鬼の住処」と呼ばれてきました。

年間を通して総当り戦を行い、上位2名のみA級への扉を開くことが出来る。
今期はB1で戦いながらタイトル戦全てに勝利し五冠となった若き天才、藤井聡太竜王が参戦しB1の注目度が高かったのですが、最終局までで10勝2敗と、C2からB2までの順位戦で39戦1敗というありえない成績で駆け上がってきた藤井五冠でさえ2敗を喫する程の過酷なクラス。

そして最終局は同一勝敗数の3名が2つのA級切符を奪い合う激しい戦いとなりました。
奇しくも藤井竜王の2敗は共に昇級を争う稲葉八段、千田七段との対局のものであり必ずしも藤井一強では無いことが伺えます。
更に、最終局で藤井が負け、稲葉、千田が勝てばクラス内順位で藤井の頭ハネ(成績上位でも順位によって昇級できないこと)もあり得る状況であり3者共大一番となる一局です。

藤井竜王の対局相手は過去藤井の30連勝を止めた佐々木七段。
佐々木七段も開幕7連勝で最もA級に近い場所に居ましたがその後一転して4連敗を喫し、残念ながら今期の昇級レースには絡めませんが、対藤井戦には並々ならぬ闘志を以て望んでくること間違いなし。順位戦はすべての対局者と先後事前に決まっておりますので、1年を掛けて練った研究をぶつけてくるのではないでしょうか。

さて序盤はその予想通り佐々木七段が角換わりに誘導し研究ですよとばかりに時間を使わず指し手を進めていきます。一年間温めてきた本局へ懸ける想いが、積極的な指し手に現れており、藤井陣の1筋を突破し先に角を成り込み、攻防の主導権を握っていきます。
夕食休憩を挟んで佐々木七段の長考もありましたが、徐々に差を広げていき70手目までには佐々木優勢に。

そして運命の71手目、先手3二銀成。

佐々木七段は勢いよく相手陣に銀を成り込んで藤井竜王の角銀に当てていきます。

これが終わってみれば唯一の敗着となった銀成でここから一気に形勢が藤井竜王に傾きます。
その後の藤井竜王の的確な手際は終盤の天才の本領を発揮するが如く、一度傾いた形勢は戻ること無く90手にて藤井竜王が勝利。文句なくB級1組を1位で昇級となりました!
同時に昇級するのは稲葉八段。前期のA級から陥落後1期で復帰は流石です!



藤井竜王はこれで順位戦通算5期でA級へ到達することになります。
ちなみに、A級へのスピード昇級の記録はひふみんこと加藤一二三さんと中原誠さんが記録した4期。共に大棋士であり、加藤一二三さんは若干18歳であり最年少で最速の記録は多分未来永劫破られないんじゃないかな・・・。

藤井竜王の今年度成績は52勝12敗(勝率0.813)となりました。
プロ入りしてから年度成績8割をキープとかどんなバケモンだよ・・・^^;

来期のA級でも名人挑戦争いに確実に絡んでくることは間違いないでしょう。
その時に一体何冠になっていることやら・・・。

二十歳で八冠もあり得る・・・かも?

《タカダ》

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