神回〜3度目の万博 vol.2 イタリア編。
2025年08月02日
こんにちは。
暑いですね!
先週の【神回〜3度目の万博vol.1】からの続きとなります。どうぞお付き合いくださいませ。

12時半過ぎに『ヘルスケアパビリオン』を出ると、入場前とは景色が一変、雨が降っていて多くの傘が開いてました。「雨かー」独りそうボヤきながら、1時22分予約の『イタリア館』に向かう前にとある場所へ向かいます。
向かった場所はポルトガル館のテイクアウトのコーナーです。お目当ては過去2回の訪問で買えなかった「エッグタルト」。3度目の正直!とばかりに最後尾にいたポルトガルの方に「エッグタルト?」と「ソールドアウト」と。リベンジならずT^T仕方ない…今日はここまでこんなについていてその上更にエッグタルトとかバチがあたるってなもんです(笑)。調子乗んなよ!と自分を戒めます。

気を取り直して『イタリア館』の目の前、大屋根リング下のベンチに腰を下ろし持参したナッツを食べて小腹を満たしながら時間が来るのを待ちます。


その間スマホで当日解放のパビリオンを検索してたのですが、ここでも奇跡が…。石黒浩さんプロデュースのシグネチャーパビリオン『いのちの未来』の17:00〜に◯が…すぐさま申し込んだところ「予約できました」と。(ここも人気のパビリオンで予約困難なので)
なんかちょっと怖くなってきました。
時間になり、気を引き締めていよいよ『イタリア館』の予約レーンへと向かいます。
「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」というテーマで、「本物」の芸術作品にこだわり、いわば国宝級の作品を惜しみなく出してきているところにイタリアの本気度を感じます。
その理由をイタリア政府代表の方はある記事でこう仰ってます。「日本は大切な国だからだ。ビジネスや外交上のつながりだけでなく、互いがひかれ合う深い関係がある。日本が万博を開くなら、イタリアは成功させるために貢献しなくてはならない。(2015年の)イタリア・ミラノ万博では、日本がとても美しいパビリオンを建ててくれた。その恩返しでもある」と。
イタリア各都市から大阪へ、1万kmもの距離を運んで貴重な絵や彫刻を出せたのは、美術品を運搬する人や展示する人、日本のプロフェッショナルなスタッフや技術があってこそ。これまでの美術館などでの展示の実績から、「日本だから」という特別な信頼があるわけです。ちなみに前回のドバイ万博(2020年のドバイ国際博覧会)のとき、イタリアはミケランジェロのダビデ像を出しましたがレプリカだったそうなので。
さて。
館内に入るとまず巨大スクリーンの前に用意された椅子にに腰を下ろします。ナビゲーターや映像がこれから訪れるパビリオンへの期待を高めてくれます。




映像が終わるとスクリーンが蛇腹状に開き、その視線の先にはイタリア館の目玉のひとつ『ファルネーゼのアトラス』が飛び込んできます。この演出には痺れました、ワクワクが止まりません!

まず最初の展示スペース「ビジターエクスペリエンス」入ってすぐのところにあるのが2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪の聖火リレーで使うトーチ。

重さ1060グラムで長さは89センチ。使用後にリサイクルできるアルミニウムと真ちゅう製で、廃棄剤を使ったバイオガスで燃えるとのこと。五輪用は青色、パラリンピック用は銅色を基調としているそうで、表面は特殊加工された薄い膜で覆われ、光の反射によって色が変わるんだとか。
天正遣欧少年使節『伊東マンショ』の肖像。

そして、苺ショートケーキの苺のように常に視界に入りながらも直ぐに手をつけず最後に残しておいた苺それが『ファルネーゼのアトラス』です…違うか(笑)。

高さ約2メートル重さ約2トンあるそうで、本当に凄い迫力です。このアトラス、西暦150年頃のローマ時代の彫刻で、普段はナポリの国立考古学博物館に所蔵されていて日本で展示されたのは今回が初めて。まず「ファルネーゼ」というのは彫刻家ではなくコレクターの名前なんだとか。アレッサンドロ・ファルネーゼという16世紀の枢機卿で芸術家のパトロン。そのファルネーゼ枢機卿が集めたギリシャ・ローマ彫刻のひとつが、この巨人アトラスなんです。
アトラスとはゼウスとの戦いに敗れ、世界の西の果てで天空を背負うことを科せられたギリシャ神話の神のこと。
ただ、このアトラス16世紀に発掘されたときは顔や手足は欠けていたんです。そこから古代の史料などに基づき、苦悶する顔や天球を支える手、右膝をついてふんばる足やマントの大部分が付け足され修復されて、今の形になったんですって。

PRESIDENT Onlineより画像をお借りしましま。ありがとうございます。
次のスペースへの入り口付近にあるのがミケランジェロの作品『復活のキリスト』です。

この作品驚くなかれ!実はなんとミケランジェロにとって失敗作だったそうで、ミケランジェロが最後まで完成させたバージョンは「ミネルヴァのキリスト」(1521年作)といって、ローマのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会にあります。過去にコンクラーベ(教皇選挙)が行われたこともあるぐらい、由緒正しい教会です。

PRESIDENT Onlineより画像をお借りしましま。ありがとうございます。
ところが、それに似たこの作品が遠く離れたラツィオ州バッサーノ・ロマーノにあるサン・ヴィンチェンツォ・マルティーレ教会で見つかり、最初は「ミケランジェロが作ったものではないだろう」という見方もあったんですが、当時のミケランジェロの日記から、1514年にローマの貴族がミケランジェロにキリスト像を依頼し、取りかかったものの途中でやめてしまい、後年になって他の彫刻家が仕上げたということがわかったという、とても興味深い作品です。
そして、扉を潜り奥の仕切られた暗いスペース「スピリチュアルゾーン」に入ると展示されているのがカラヴァッジョ(1571〜1610)の『キリストの埋葬』です。高さ3メートル幅2メートル畳3畳分の大きさ。ほぼ等身大でキリスト、ヨハネ、マリアなどが超絶技巧技巧で描かれています。何の知識も情報もない僕が見ても引き込まれました。普段展示されているイタリアのバチカン美術館よりも見やすいとの声もあるそうです。


石の角とキリストの体を抱えるニコデモの肘がこちらに突き出しているように見えますよね。まるで3Dのような効果を、カラヴァッジョは400年前に使っていたわけです。
そこを出ると7/6から新たに展示が始まった『ヴィナフロのヴィーナス』。2世紀ぐらいのローマ帝国時代のお宝だそうです。

見学コースの最後を飾るのがレオナルド・ダ・ヴィンチの『アトランティックコード』(膨大な手稿やスケッチのコレクション)の展示です。

直筆のドローイングなのですが、見学者が展示ケースの中を覗き込み、渋滞してしまうのでイタリア館のスタッフに「立ち止まらないで!写真撮るだけにしてくださーい!」と言われ、アイドルの握手会並みの速さで展示ケースの前を通り過ぎなければなりません(笑)。

一つ目はスパンコールを大量生産するための機械です。二つ目はその機械を設置するための建物、つまり工場の設計図です。


ダ・ヴィンチは若い頃、ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァに仕え、そこで有名な「最後の晩餐」など絵を描きつつ、武器や機械、土木工事などの設計もしていました。それらの素描が今もミラノにたくさん残っているそうです。もちろん、その中には実際に作られなかったもの、採用されなかったものもありますが、この設計図はそれまでスパンコールを1枚1枚手作りしていたものを、機械で金属に穴を開け、少人数で大量に生産していこうと考えたもので、3世紀のちの産業革命にもつながっていく発想でした。
イタリア館は本当に素晴らしかったです。演出、展示作品、ホストのホスピタリティ…映像技術を駆使したパビリオンが多い中、それぞれの芸術作品が持つ歴史や価値が素人の僕にも伝わってきました。万博のために用意されたという日本初お目見えの作品の数々…このパビリオンを見るだけでも万博に来る価値があると言われてる程ですが確かにうなずけました。


イタリアの本気の展示内容に、僕も勉強しながら頑張って解説を綴らせていただきました。これから訪れる方にとっての予備知識となれば幸いです。長くなりましたので続きは次週vol.3にて。

危険な暑さが続きます。みなさんどうぞご自愛くださいませ^_^。
《ウエノ》
暑いですね!
先週の【神回〜3度目の万博vol.1】からの続きとなります。どうぞお付き合いくださいませ。

12時半過ぎに『ヘルスケアパビリオン』を出ると、入場前とは景色が一変、雨が降っていて多くの傘が開いてました。「雨かー」独りそうボヤきながら、1時22分予約の『イタリア館』に向かう前にとある場所へ向かいます。
向かった場所はポルトガル館のテイクアウトのコーナーです。お目当ては過去2回の訪問で買えなかった「エッグタルト」。3度目の正直!とばかりに最後尾にいたポルトガルの方に「エッグタルト?」と「ソールドアウト」と。リベンジならずT^T仕方ない…今日はここまでこんなについていてその上更にエッグタルトとかバチがあたるってなもんです(笑)。調子乗んなよ!と自分を戒めます。

気を取り直して『イタリア館』の目の前、大屋根リング下のベンチに腰を下ろし持参したナッツを食べて小腹を満たしながら時間が来るのを待ちます。


その間スマホで当日解放のパビリオンを検索してたのですが、ここでも奇跡が…。石黒浩さんプロデュースのシグネチャーパビリオン『いのちの未来』の17:00〜に◯が…すぐさま申し込んだところ「予約できました」と。(ここも人気のパビリオンで予約困難なので)
なんかちょっと怖くなってきました。
時間になり、気を引き締めていよいよ『イタリア館』の予約レーンへと向かいます。
「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」というテーマで、「本物」の芸術作品にこだわり、いわば国宝級の作品を惜しみなく出してきているところにイタリアの本気度を感じます。
その理由をイタリア政府代表の方はある記事でこう仰ってます。「日本は大切な国だからだ。ビジネスや外交上のつながりだけでなく、互いがひかれ合う深い関係がある。日本が万博を開くなら、イタリアは成功させるために貢献しなくてはならない。(2015年の)イタリア・ミラノ万博では、日本がとても美しいパビリオンを建ててくれた。その恩返しでもある」と。
イタリア各都市から大阪へ、1万kmもの距離を運んで貴重な絵や彫刻を出せたのは、美術品を運搬する人や展示する人、日本のプロフェッショナルなスタッフや技術があってこそ。これまでの美術館などでの展示の実績から、「日本だから」という特別な信頼があるわけです。ちなみに前回のドバイ万博(2020年のドバイ国際博覧会)のとき、イタリアはミケランジェロのダビデ像を出しましたがレプリカだったそうなので。
さて。
館内に入るとまず巨大スクリーンの前に用意された椅子にに腰を下ろします。ナビゲーターや映像がこれから訪れるパビリオンへの期待を高めてくれます。




映像が終わるとスクリーンが蛇腹状に開き、その視線の先にはイタリア館の目玉のひとつ『ファルネーゼのアトラス』が飛び込んできます。この演出には痺れました、ワクワクが止まりません!

まず最初の展示スペース「ビジターエクスペリエンス」入ってすぐのところにあるのが2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪の聖火リレーで使うトーチ。

重さ1060グラムで長さは89センチ。使用後にリサイクルできるアルミニウムと真ちゅう製で、廃棄剤を使ったバイオガスで燃えるとのこと。五輪用は青色、パラリンピック用は銅色を基調としているそうで、表面は特殊加工された薄い膜で覆われ、光の反射によって色が変わるんだとか。
天正遣欧少年使節『伊東マンショ』の肖像。

そして、苺ショートケーキの苺のように常に視界に入りながらも直ぐに手をつけず最後に残しておいた苺それが『ファルネーゼのアトラス』です…違うか(笑)。

高さ約2メートル重さ約2トンあるそうで、本当に凄い迫力です。このアトラス、西暦150年頃のローマ時代の彫刻で、普段はナポリの国立考古学博物館に所蔵されていて日本で展示されたのは今回が初めて。まず「ファルネーゼ」というのは彫刻家ではなくコレクターの名前なんだとか。アレッサンドロ・ファルネーゼという16世紀の枢機卿で芸術家のパトロン。そのファルネーゼ枢機卿が集めたギリシャ・ローマ彫刻のひとつが、この巨人アトラスなんです。
アトラスとはゼウスとの戦いに敗れ、世界の西の果てで天空を背負うことを科せられたギリシャ神話の神のこと。
ただ、このアトラス16世紀に発掘されたときは顔や手足は欠けていたんです。そこから古代の史料などに基づき、苦悶する顔や天球を支える手、右膝をついてふんばる足やマントの大部分が付け足され修復されて、今の形になったんですって。

PRESIDENT Onlineより画像をお借りしましま。ありがとうございます。
次のスペースへの入り口付近にあるのがミケランジェロの作品『復活のキリスト』です。

この作品驚くなかれ!実はなんとミケランジェロにとって失敗作だったそうで、ミケランジェロが最後まで完成させたバージョンは「ミネルヴァのキリスト」(1521年作)といって、ローマのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会にあります。過去にコンクラーベ(教皇選挙)が行われたこともあるぐらい、由緒正しい教会です。

PRESIDENT Onlineより画像をお借りしましま。ありがとうございます。
ところが、それに似たこの作品が遠く離れたラツィオ州バッサーノ・ロマーノにあるサン・ヴィンチェンツォ・マルティーレ教会で見つかり、最初は「ミケランジェロが作ったものではないだろう」という見方もあったんですが、当時のミケランジェロの日記から、1514年にローマの貴族がミケランジェロにキリスト像を依頼し、取りかかったものの途中でやめてしまい、後年になって他の彫刻家が仕上げたということがわかったという、とても興味深い作品です。
そして、扉を潜り奥の仕切られた暗いスペース「スピリチュアルゾーン」に入ると展示されているのがカラヴァッジョ(1571〜1610)の『キリストの埋葬』です。高さ3メートル幅2メートル畳3畳分の大きさ。ほぼ等身大でキリスト、ヨハネ、マリアなどが超絶技巧技巧で描かれています。何の知識も情報もない僕が見ても引き込まれました。普段展示されているイタリアのバチカン美術館よりも見やすいとの声もあるそうです。


石の角とキリストの体を抱えるニコデモの肘がこちらに突き出しているように見えますよね。まるで3Dのような効果を、カラヴァッジョは400年前に使っていたわけです。
そこを出ると7/6から新たに展示が始まった『ヴィナフロのヴィーナス』。2世紀ぐらいのローマ帝国時代のお宝だそうです。

見学コースの最後を飾るのがレオナルド・ダ・ヴィンチの『アトランティックコード』(膨大な手稿やスケッチのコレクション)の展示です。

直筆のドローイングなのですが、見学者が展示ケースの中を覗き込み、渋滞してしまうのでイタリア館のスタッフに「立ち止まらないで!写真撮るだけにしてくださーい!」と言われ、アイドルの握手会並みの速さで展示ケースの前を通り過ぎなければなりません(笑)。

一つ目はスパンコールを大量生産するための機械です。二つ目はその機械を設置するための建物、つまり工場の設計図です。


ダ・ヴィンチは若い頃、ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァに仕え、そこで有名な「最後の晩餐」など絵を描きつつ、武器や機械、土木工事などの設計もしていました。それらの素描が今もミラノにたくさん残っているそうです。もちろん、その中には実際に作られなかったもの、採用されなかったものもありますが、この設計図はそれまでスパンコールを1枚1枚手作りしていたものを、機械で金属に穴を開け、少人数で大量に生産していこうと考えたもので、3世紀のちの産業革命にもつながっていく発想でした。
イタリア館は本当に素晴らしかったです。演出、展示作品、ホストのホスピタリティ…映像技術を駆使したパビリオンが多い中、それぞれの芸術作品が持つ歴史や価値が素人の僕にも伝わってきました。万博のために用意されたという日本初お目見えの作品の数々…このパビリオンを見るだけでも万博に来る価値があると言われてる程ですが確かにうなずけました。


イタリアの本気の展示内容に、僕も勉強しながら頑張って解説を綴らせていただきました。これから訪れる方にとっての予備知識となれば幸いです。長くなりましたので続きは次週vol.3にて。

危険な暑さが続きます。みなさんどうぞご自愛くださいませ^_^。
《ウエノ》

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