王将戦七番勝負第3局
2025年02月16日
ALSOK杯第74期王将戦七番勝負第3局が5、6日の両日、東京都立川市の「オーベルジュときと」で指されました。

開幕2連勝で波に乗る藤井王将に、本局を落とすと後がなくなり更に次局は後手番なので是非とも勝っておきたい永瀬九段。
序盤はオーソドックスな角換わりとなります。
角換わりはほぼ終盤まで研究が進んでいる戦型で、現代のAI研究において最も恩恵を受けた戦型と言われ、結論と勝率では先手勝ちと言われておりますが、人間同士ではなかなか思うようにはいかないのが現実です。
ただし藤井王将に限って言えば角換わり戦型では先後共に高勝率をマーク、勝率8割を超えており角換わりの申し子と言っても言い過ぎではない勝ちっぷり。
さて、本局は序盤に藤井王将が珍しい右玉を志向。54手目に藤井王将が8六歩と玉頭を攻めたところで永瀬九段の手が止まった。ここから珍しく永瀬九段が多く時間を使って考慮することが多くなる。
藤井王将が作った馬を巡って攻防が繰り広げられる。
お互い繊細な駆け引きの中、1日目は藤井王将が封じ手を行い2日目が始まる。
早々に角を合わせて馬を消した永瀬九段。中終盤の捩じり合いが続く。
98手目、初めて形勢が大きく動く。
永瀬九段の敵陣を通る3七の角打ちに、藤井王将が1時間の長考で出した答えはその角頭に打った3六歩。どうぞ攻めてきてもいいですよと言わんばかりの手ですが、実際は角道を止める5五歩としてどうだったか。千日手打開に活路を見出したのか。
この隙を突いて永瀬九段が敵陣に駒を放って藤井玉を追い詰める態勢を整えていく。
113手目、先手勝勢の場面、小気味良く桂を跳ねて銀を捕獲する4四桂で勝ちそうに思えた。実際永瀬九段もその手を指し終えた後、評価値は藤井勝勢と真逆に変わった。
何故なのか対局中は誰一人としてわからなかった。あの藤井王将でさえも。
結局謎の逆転劇の後はそのまま藤井王将が押し切って134手で勝利。
開幕3連勝としました。
局後、感想戦で藤井王将が謎の逆転劇の指摘をされていました。どうやら7二銀不成で藤井玉攻めを継続させることが必勝条件だったと。
しかしこれには後付があって、この感想戦で藤井王将が7二銀不成を発見したのではなく、立会人が感想戦前に藤井王将に進言したとのこと。もちろんその立会人も自ら発見した手筋ではなくAIのを見て言っただけですが。藤井王将は立会人に教えてもらって初めて気がついたと言っておりましたが、自身も多分読んでたんじゃないかと思いますね。
そしてお約束の勝者の罰ゲーム第3弾!

シャンパンの泡に見立てた300個の風船に囲まれ、王将の駒が飛び出したワイングラスを傾けて笑顔を見せた藤井王将。
このままストレートでシリーズが終わってしまうのか、それとも永瀬九段の怒涛の快進撃が始まるのか、次局も楽しみです^^
《タカダ》

開幕2連勝で波に乗る藤井王将に、本局を落とすと後がなくなり更に次局は後手番なので是非とも勝っておきたい永瀬九段。
序盤はオーソドックスな角換わりとなります。
角換わりはほぼ終盤まで研究が進んでいる戦型で、現代のAI研究において最も恩恵を受けた戦型と言われ、結論と勝率では先手勝ちと言われておりますが、人間同士ではなかなか思うようにはいかないのが現実です。
ただし藤井王将に限って言えば角換わり戦型では先後共に高勝率をマーク、勝率8割を超えており角換わりの申し子と言っても言い過ぎではない勝ちっぷり。
さて、本局は序盤に藤井王将が珍しい右玉を志向。54手目に藤井王将が8六歩と玉頭を攻めたところで永瀬九段の手が止まった。ここから珍しく永瀬九段が多く時間を使って考慮することが多くなる。
藤井王将が作った馬を巡って攻防が繰り広げられる。
お互い繊細な駆け引きの中、1日目は藤井王将が封じ手を行い2日目が始まる。
早々に角を合わせて馬を消した永瀬九段。中終盤の捩じり合いが続く。
98手目、初めて形勢が大きく動く。
永瀬九段の敵陣を通る3七の角打ちに、藤井王将が1時間の長考で出した答えはその角頭に打った3六歩。どうぞ攻めてきてもいいですよと言わんばかりの手ですが、実際は角道を止める5五歩としてどうだったか。千日手打開に活路を見出したのか。
この隙を突いて永瀬九段が敵陣に駒を放って藤井玉を追い詰める態勢を整えていく。
113手目、先手勝勢の場面、小気味良く桂を跳ねて銀を捕獲する4四桂で勝ちそうに思えた。実際永瀬九段もその手を指し終えた後、評価値は藤井勝勢と真逆に変わった。
何故なのか対局中は誰一人としてわからなかった。あの藤井王将でさえも。
結局謎の逆転劇の後はそのまま藤井王将が押し切って134手で勝利。
開幕3連勝としました。
局後、感想戦で藤井王将が謎の逆転劇の指摘をされていました。どうやら7二銀不成で藤井玉攻めを継続させることが必勝条件だったと。
しかしこれには後付があって、この感想戦で藤井王将が7二銀不成を発見したのではなく、立会人が感想戦前に藤井王将に進言したとのこと。もちろんその立会人も自ら発見した手筋ではなくAIのを見て言っただけですが。藤井王将は立会人に教えてもらって初めて気がついたと言っておりましたが、自身も多分読んでたんじゃないかと思いますね。
そしてお約束の勝者の罰ゲーム第3弾!

シャンパンの泡に見立てた300個の風船に囲まれ、王将の駒が飛び出したワイングラスを傾けて笑顔を見せた藤井王将。
このままストレートでシリーズが終わってしまうのか、それとも永瀬九段の怒涛の快進撃が始まるのか、次局も楽しみです^^
《タカダ》
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