王位戦第5局
2023年08月27日

王位戦第5局が22、23日の2日間に渡って徳島県徳島市の渭水苑にて行われました。
王位戦といえば『中の坊瑞苑』そして『渭水苑』と言われるほど有名な開催地です。
渭水苑では王位戦七番勝負のみ使用され、更に第5局目が慣例となっております。
本局は藤井王位が3勝1敗で防衛に王手を掛けており羽生九段以来の4連覇がかります。
対する佐々木七段は第4局で快勝した勢いで連勝として次局に繋げたいところでしょう。
しかし、藤井王位は今年は先手番では負けなしの強さ。しかし藤井王位からタイトルを奪取するには絶対に避けては通れない道でもあります。
まさに鬼門。
序盤は佐々木七段の誘導で横歩取りの戦型となりました。
この手を見て佐々木七段が深い長考に沈みます。そして実に2時間4分の大長考の末そのまま封じ手を迎えることとなりました。
明けて2日目、1日目に悩みに悩んだ末の封じ手は1四角。
この手を見て、藤井王位も2日目開始から1時間の長考。
54手目、藤井王位が7筋の攻め合いを見せる。ここから一気に流れが加速する。これまでの長考を精算するようにお互い早い指し手で本局のターニングポイントを迎えることとなる。
61手目、角を抑え込まれた藤井王位は7筋と8筋の連動的な突破口となる8三歩成とした。
ここで同歩と応じるかに思えたが、佐々木七段の取った手は8三同金。
この一手で長らく均衡を保っていた形勢が藤井王位へと傾いてしまいました。佐々木七段の唯一の悪手は、そのまま敗着の一手となってしまいました。
95手にて藤井王位が勝利。王位戦4連覇とし、永世王位まであとひとつとなりました。
佐々木七段の棋聖と王位のダブルタイトル戦はこれを以て終了となりました。合計2勝7敗と厳しい結果となってしまいましたが、実力のある棋士ですのでまたすぐにタイトル戦の場に登場することでしょう。
《タカダ》
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