最強か、大記録か~王将戦七番勝負、始まる
2023年01月15日
先日、王将戦第1局が静岡県掛川市にある掛川城、二の丸茶室にて対局が行われました。
前回のブログでも触れましたが、とにかく本棋戦は注目度が高くファンが待ち望んでいた対局で、それもそのはず、現王将であり棋界最強としてトップに君臨する藤井聡太五冠と相対するのは、挑戦者決定リーグを無敗で勝ち上がり挑戦権を獲得、棋界初の永世七冠を達成し、そして現在タイトル獲得数99期のレジェンド羽生善治九段なのですから。
この二人のビッグネームが並ぶだけで正直ワクワクが止まりません。
2日制のタイトル戦で果たしてどのような戦いが繰り広げられるのか・・・。
1月8日、第1局目、1日目が始まりました。
タイトル戦は第1局目は先後を決めるために振り駒が行われます。
振り駒の結果、先手は藤井王将となりました。
藤井王将の今期の先手番勝率がとにかく異常、20勝1敗とかマジあり得ないんだが・・・^^;
「振り駒の結果、先手の勝利となります」とか言われても、ですよねーと納得せざるをえない勝率です。
しかし、挑戦者は百戦錬磨の羽生九段ですから、勝負の行方は盤上の神のみぞ知えることでしょう。
藤井王将の初手は2六歩。初手30通りある中でプロになってから先手では初手2六歩以外指したことがありません。相手にしてみれば後手番で先手の他の選択肢を考えなくて良いので作戦が立てやすいように思えますが、実際はほぼ負け無し。それだけ自身の指し手に自身のある証拠なのでしょう。
対する羽生九段の応手は3四歩。後手横歩取り志向で、得意とする羽生九段が王将戦タイトル挑戦者となった原動力でもある戦法です。
しかしこの後、羽生九段が隠し玉を放り込んできます。
この図の後、当然のように8五歩と進めて横歩取りに誘導するものと誰しも思っていたのだが・・・?
何と選んだのは角交換!しかも一手損角換わり。いや、先手が自動的に銀を動かして角を取れるので実質二手損角換わりか・・・。
序盤の手損を完璧な組み立てで指していけば先手に揺さぶりを掛けられる。
絶対王者藤井五冠に真っ向勝負は危険であるのは今までの挑戦者たちが身をもって感じていることであり、羽生九段もその例に習って変化球を投げてきた感じだろうか。
当の藤井王将は特に驚く様子もなく淡々として指し手を進めていきます。
1日目はかなりじっくりとした進行で、夕刻辺りで藤井王将が1時間を超える長考もありつつ43手目5八銀と打った手がまさしくいぶし銀の手で、ここで羽生九段も長考に沈みます。次の指し手は5八同銀成でほぼ決まっています。しかしその後の手の広い局面まで読むとなると、とても1時間程度では足りません。羽生九段は封じ手を宣言、一晩掛けて考えることを選びました。
ここまでは圧倒的互角。勝負は2日目に。
明けて2日目。予想通り封じ手は5八同成銀。藤井王将も応手にノータイムで同金とします。
46手目、羽生九段が一晩かけて用意した手は3四歩。
と金作りを見せる一手で藤井王将は攻守の選択に迫られます。
しかし自陣にと金が出来ることに臆することなく4三銀と強く攻め合いに出ます。
羽生九段も3五に銀を打ち込み飛車を確保しに行きます。
2日目開始からたった数手で一気に激しい攻め合いに・・・。
一進一退の攻防も徐々に藤井王将のペースに・・・。
70手目、羽生九段に痛恨の悪手が指され、一気に藤井王将が優勢に。
読みきった藤井王将に死角なし。
91手にて藤井王将が先勝しました。
とても拮抗した勝負でハラハラしましたが、先手藤井に死角なしといったところでしょうか。
次回も楽しみです。
《タカダ》
前回のブログでも触れましたが、とにかく本棋戦は注目度が高くファンが待ち望んでいた対局で、それもそのはず、現王将であり棋界最強としてトップに君臨する藤井聡太五冠と相対するのは、挑戦者決定リーグを無敗で勝ち上がり挑戦権を獲得、棋界初の永世七冠を達成し、そして現在タイトル獲得数99期のレジェンド羽生善治九段なのですから。
この二人のビッグネームが並ぶだけで正直ワクワクが止まりません。
2日制のタイトル戦で果たしてどのような戦いが繰り広げられるのか・・・。
1月8日、第1局目、1日目が始まりました。
タイトル戦は第1局目は先後を決めるために振り駒が行われます。
振り駒の結果、先手は藤井王将となりました。
藤井王将の今期の先手番勝率がとにかく異常、20勝1敗とかマジあり得ないんだが・・・^^;
「振り駒の結果、先手の勝利となります」とか言われても、ですよねーと納得せざるをえない勝率です。
しかし、挑戦者は百戦錬磨の羽生九段ですから、勝負の行方は盤上の神のみぞ知えることでしょう。
藤井王将の初手は2六歩。初手30通りある中でプロになってから先手では初手2六歩以外指したことがありません。相手にしてみれば後手番で先手の他の選択肢を考えなくて良いので作戦が立てやすいように思えますが、実際はほぼ負け無し。それだけ自身の指し手に自身のある証拠なのでしょう。
対する羽生九段の応手は3四歩。後手横歩取り志向で、得意とする羽生九段が王将戦タイトル挑戦者となった原動力でもある戦法です。
しかしこの後、羽生九段が隠し玉を放り込んできます。
この図の後、当然のように8五歩と進めて横歩取りに誘導するものと誰しも思っていたのだが・・・?
何と選んだのは角交換!しかも一手損角換わり。いや、先手が自動的に銀を動かして角を取れるので実質二手損角換わりか・・・。
序盤の手損を完璧な組み立てで指していけば先手に揺さぶりを掛けられる。
絶対王者藤井五冠に真っ向勝負は危険であるのは今までの挑戦者たちが身をもって感じていることであり、羽生九段もその例に習って変化球を投げてきた感じだろうか。
当の藤井王将は特に驚く様子もなく淡々として指し手を進めていきます。
1日目はかなりじっくりとした進行で、夕刻辺りで藤井王将が1時間を超える長考もありつつ43手目5八銀と打った手がまさしくいぶし銀の手で、ここで羽生九段も長考に沈みます。次の指し手は5八同銀成でほぼ決まっています。しかしその後の手の広い局面まで読むとなると、とても1時間程度では足りません。羽生九段は封じ手を宣言、一晩掛けて考えることを選びました。
ここまでは圧倒的互角。勝負は2日目に。
明けて2日目。予想通り封じ手は5八同成銀。藤井王将も応手にノータイムで同金とします。
46手目、羽生九段が一晩かけて用意した手は3四歩。
と金作りを見せる一手で藤井王将は攻守の選択に迫られます。
しかし自陣にと金が出来ることに臆することなく4三銀と強く攻め合いに出ます。
羽生九段も3五に銀を打ち込み飛車を確保しに行きます。
2日目開始からたった数手で一気に激しい攻め合いに・・・。
一進一退の攻防も徐々に藤井王将のペースに・・・。
70手目、羽生九段に痛恨の悪手が指され、一気に藤井王将が優勢に。
読みきった藤井王将に死角なし。
91手にて藤井王将が先勝しました。
とても拮抗した勝負でハラハラしましたが、先手藤井に死角なしといったところでしょうか。
次回も楽しみです。
《タカダ》
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