本のお話
2021年06月07日
風の軍師 黒田官兵衛
葉室 麟
〈 風の軍師 〉は〈 風渡る 〉の続編にあたる作品です。
黒田官兵衛。備前の武家から身を起こし豊臣秀吉に仕える軍師。
戦国末期、最高の策謀家。
信長に入れ替わって天下人となった豊臣秀吉は、
権力を握るや、瞬く間に変貌した。
キリシタン禁制、朝鮮への出兵と予想外の統治を打ち出して行く、
とりわけ朝鮮出兵は、東アジアの頂点に立とうとする誇大妄想が
動機として働いている。
官兵衛は、キリシタンを弾圧する秀吉を討つために朝鮮行きを申し出た。
関ヶ原の戦いでも、九州にキリシタン信教の王国を造るべく九州で挙兵。
家康の幕府と併立させるという、黒田如水の最後の夢であった。
『 キリシタンは異国からこの国に吹いた風でござった。
我らは風となって生きて来ましたが、風はいつか吹き去る日が来るのです。』
夢を追う男の壮絶な生涯でした。
《 フジイ 》
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