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ビタースウィート。

2016年02月13日

千里中央店

こんにちは。



明日2月14日はバレンタインデー。

こんな僕にも幼い頃のビターな記憶がございまして、ここからは昔話にしばらくお付き合いいただければ幸いです。



今からちょうど30年前。
小学校六年生の時のお話し。

僕にはその当時好きな子がいました。
名前も顔も出席番号も今でも鮮明に憶えている。
…ちょっと怖いね(笑)…でも男ってそんなもんでしょ。


3学期に入った1月のこと。

給食の後の休み時間、その子がカバンから何やら道具を取り出し編み物を始めたんです。
マフラーなのか、手袋なのか、何を作ってるのかはわからないけど、鮮やかなブルーの毛糸を器用に紡ぎ出していく。


その様子を見ていた僕は
何なんだろう?誰のなんだろう?僕のだったらいいのに…そんな訳ないか…なんて。
とにかく気になって仕方ない。


しばらくしてデリカシーのない男子たちがそれを見て冷やかし出す。

「学校でそんなことしていいんですかー?!
誰のマフラーを編んでるんですかー?
ウワッーなんか暑なってきたわー。
ウワーッ暑っ!!」

「どうでもいいでしょ!!」

その子は何を言われても昼休みの度に、ただただ編んでいたんです。





そして2月14日、バレンタインデー。


放課後サッカー部の練習を終え、僕が友達と学校を後にしようとした時のこと、その子が僕の前にパッと現れてこう言いました。


「ウエノ、今日バレンタインデー、コレ」って。

見た目にはわからないが、その紙袋の大きさ、感触から、昼休みに編んでいたソレだとわかった。
僕はとても嬉しかった、でも次の瞬間。


「ヒュー!ヒュー!暑いのー!!」


周りにいた友達が冷やかす。


僕はどうしていいかわからなくなった。
すごく嬉しいはずなのに、友達の手前それを素直に受け取る事ができなかった。


「何やねん!そんなんいらんわ!!」


気が付いたら自分の気持ちとは裏腹にそんな事を言っていた。



その子は一瞬驚いた顔を見せた。
そして泣きながらその場を走り去って行った。
一緒にいた女友達もその子の後を追っかけていく。





周りの目を気にして自分の気持ちに正直に行動できなかった。
どうしていいかわからなかった。
悔しかった。
何よりその子の思いを踏みにじってしまった。傷付けてしまった。
自分に腹が立った。
家に帰った僕は、いろんな感情が溢れてどうしようもなくて、部屋でひとり泣いていた。



次の日から学校でその子と口をきくこともなくなった。
他の女子たちもなんだかよそよそしい。
仕方ない、全部僕のせいだから。
しばらくして卒業。

校区が違う僕とその子は別々の中学になり、その後の事は全く知らないんだけど。



ありがとう…ただそれだけでよかったのに。

ごめんね…それが言えてればよかったのに。

今更後悔しても仕方がないけど。



この季節になると思い出すんです。

幼かった自分のことを。

そして大好きだったその子のことを。



甘くて苦い記憶とともに。








最後に。

ビターでスウィートなフレームをひとつご紹介です。


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《ウエノ》

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