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ルーヴル美術館展in京都市美術館 後編

2015年06月22日

南千里店

前回の続き・・・

京都美術館へルーヴル美術館展を鑑賞しに行きました。
日常にスポットを当てた斬新な展覧会の中にあって一際輝きを放つ作品。

待ちに待った・・・フェルメールの《天文学者》と初対面!

《天文学者》は第二次世界大戦中にはヒトラー率いるナチス・ドイツの手に渡るという数奇な運命をたどった作品。

青の着物を羽織った男がやや半身になりながら、星座が描かれた天球儀に手を伸ばし熱心に何かを調べている。そんな構図で描かれております。天球儀や手前の青いタペスリーに当てられた柔らかい光の描写こそが、フェルメールの一連の作品に共通された『空気感を伴う光と影』であります。
《天文学者》が展示されていた直ぐ側には、パネルで《地理学者》が紹介されておりました。

《天文学者》には、連作とされる《地理学者》があり、そちらは男性が立ち上がってコンパスを手にどことなく視線を漂わせ、まだ見ぬ世界に思いを馳せているような構図です。
実際に目にする《天文学者》は、写真や画像で目にするよりも全体に青の色調が強い印象でした。
対して《天文学者》は赤の色調が強く、フェルメールは《天文学者》と《地理学者》を画面に散りばめられた小道具と、色彩という形で表しているのではないかなと思った次第であります。

更にここで、この2点の作品に疑問が湧きます。
《天文学者》と《地理学者》ですが、どちらも同じ人物なのではないのか?と。
顔立ちが何となく似ていますし、描かれた室内は共に窓辺と卓。椅子に壁の棚。希少な天球儀もどちらの作品にも描かれております。
調べると、フェルメールと同い年の同じデルフトに住む科学者で多数の微生物を発見し、顕微鏡の発明にも寄与したアントニー・ファン・レーウェンフックではないかと言う説が有力らしく、フェルメールの死後も彼が遺産管財人を務めたとの公式記録もあるので、二人の間に親密な交流があったであろうことは全く想像に難くありません。また、彼らの交友を示す手紙や書簡などは見つかっていませんが、それこそが、同じデルフトの街のお互いが直ぐに言葉を交わせる距離にいた事を物語っているようではありませんか!

その時代、その背景、その景色、その人物・・・絵画は言葉を持たずとも雄弁に物語ってくれます。

今回のルーヴル美術館展は、そんな現実的で世俗的な生活の一端を垣間見せてくれた内容だったように思いました。

そして、一番人だかりができていたのはショップ内だったんじゃないでしょうか(笑)


自分も例に漏れず展覧会図録とポストカードを購入しました^^


これから行かれる方は、平日がオススメですよ!人が少ないので真正面で鑑賞できるのでとっても印象に残りやすいですから。

時間があったら神宮道を歩いて平安神宮まで足を運ぶのもいいかもしれません。

これは神宮道にある京都美術館前の大鳥居。鳥居の御柱の外周は大人7人が手を繋いでやっとの大きさだとか。


さて、7月は同じ京都美術館でルーヴル美術館展よりも個人的に期待大の展覧会があります。

マグリット展!

7月に入って京都美術館へ行かれる方はルーヴル⇔マグリットという超贅沢なハシゴが出来ますね!

《タカダ》

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